DianaKrall
The Look of Love / Diana Krall(amazon)

好きな音楽(サウンド)を追い求めて行こうとしたら、同じアーティストのアルバムを集めていくのが一番簡単な方法ですが、プロデューサーやアレンジャー、そして、参加ミュージシャンに目を向ける一歩踏み込んだ方法もあります。大学時代、新宿西口に何件か集まっているレコード屋へ毎日のように通って、ジャケットに書かれた文字を目を皿のようにして読んだものです(細目)。

さて、今回はナット・キング・コールのCDを足がかりに、少しJAZZっちゃおうかと調べたら、ダイアナ・クラールと言う女性ジャズ・シンガー&ピアニストがナット・キング・コール・トリオをカバーしたアルバムを出しているのを見つけました。さらに調べると、ダイアナ・クラールは、僕が聴き慣れたボサノバのアルバムも出していました。プロデューサーはトミー・リピューマだし、クラウス・オガーマン指揮のストリングだし、これでエンジニアがアル・シュミットだったら、外せません。

曲目を見ると・・・ ん おっ〜 これは絶対に買いです

  1. S'Wonderful
  2. Love Letters
  3. I Remember You
  4. Cry Me A River
  5. Besame Mucho
  6. The Night We Called It a Day
  7. Dancing In The Dark
  8. I Get Along Without You Very Well
  9. The Look Of Love
  10. Maybe You'll Be There

AMOROSO
AMOROSO (イマージュの部屋) / Joao Gilbertoジョアン・ジルベルト

プロデュース:トミー・リピューマ、ストリング:クラウス・オガーマンによるボサノバの名盤(コアな人には少し軽い)で、何と1曲目が同じ S'Wonderful です。約30年前のアルバムですが、全然色あせていません。

そして、ダイアナ・クラール。やっぱり、しっかり、ズボッとはまりました

Diana Krall
All for You: A Dedication to the Nat King Cole Trio(amazon)

さて、コールのカバーしたアルバムの方は、英文のライナーの訳文を転載します。

ナット・キング・コールは二人いた。ただし、大半の人は一人しか覚えていない。名高いナット・コールは、ねちっこい程豊潤な喉の大衆のアイドルで、彼の「アンフォゲッタブル」「ネイチャー・ボーイ」「モナ・リザ」の録音は、今この時も、アメリカに百あるイージー・リスニング局のどこかしらでかかっている。忘れられたナット・コールは、ジャズ史の5本の指に入る優れたピアニストだ。澄明なソロとどっしり座ったスイングを持つその何食わぬ名人芸は、オスカー・ピーターソンビル・エヴァンスをはじめとする多くの敬愛者たちに跡を残した。それら二人のコールを一緒にすれば、歌手、演奏者の両方に等しく影響を与えた、巨大な偉人像が出来上がる。と同時に、彼はルイ・アームストロング同様、ごく普通の人から音楽通まで、あらゆる人を魅了した。デューク・エリントンのもってこいのフレーズで言えば、彼はカテゴリーを越えていた。そして、その訃報には世界中が泣いた。

つまり、ダイアナ・クラールは、美貌やシンガーとしてだけでなく、ピアニストとしても、一流だと言いたい訳で、ピアニストであることを押し出したアルバムになっています。

(ナット・キング・コールは奥が深いですね)