デザインにひそむ〈美しさ〉の法則 / 木全 賢


デザインにひそむ〈美しさ〉の法則 / 木全 賢

黄金比やシンプルさ、シンメトリーといった美しさの法則や、人間工学や認知科学に基づいた使いやすさの法則から始まり、工業製品のディティール処理でもっとも重要な「稜線」と「頂点」の処理。そして、モダンデザイン、インターナショナルスタイル、ユニバーサルデザインなどを分かりやすく説明してくれて、僕のような専門でない人が工業デザインを浅く広く理解できる簡単な内容になっています。正確な黄金比って1対1.618だったんですね。ずっと2対3だとおもってました

本を読み終えて、何でメガーヌが好きなんだろう?と工業デザインから考えてみると、斬新な曲面と稜線(エッジ)が組み合わさったエクステリアだからだと思いました。また、好きと言えば、デザイン家電ではdeviceSTYLE日経ベンチャーの記事)が気になっていたりします。

ちょっと分かると、違って見えるような、深く見えるような気がして、うれしいな


さて、少し内容を抜粋すると・・・

  • (インターナショナルデザインの例として)そのもっとも忠実な後継者は、Power Mac G4 Cube以降のアップル社のデザインでしょう。
    アップル社のデザインには、次のような特徴があります。
      1.透明素材と鏡面仕上げのステンレス
      2.直線・平面・直角・円・球
      3.無彩色
      4.ネジが見えない
      5.かわいい
    1から4までは、すべてインターナショナルスタイルの手法です。アップル社の製品が、バルセロナチェアをはじめとしたデザイン家具を好む層から受け入れられたのは、偶然ではありません。どちらもインターナショナルスタイルの手法を採用しているバルセロナチェアとiPodの相性はぴったりです。
    ただし、最後の「かわいい」は、インターナショナルデザインにない要素です。コンピュータ機器の世界でも「かわいい」というキーワードは異端です。実は、この「かわいい」こそが、コンピュータ機器の世界でのアップルらしさを特徴付けている要素ではないかと思っています。
    ただ、アップルの「かわいい」には、インターナショナルスタイルの「詩的ともいえる透明さ」に通底するものを感じます。アップル社のデザインはそれらすべてをひっくるめて、現代のアメリカを代表するデザインだと言えるでしょう。
  • 本物の素材感で成功した例としては、さきほど紹介したアップル社のPower Mac G4 Cubeを挙げることができます。G4 Cubeの外装に使われている透明プラスチックは、身近にありながらそれまで誰も気づかなかった新しい素材感でした。
    プラスチックという素材は成形性がよくどんな形にもなりますが、それまでは「まがいもの」といった印象しかありませんでした。しかし、透明な立体は、水晶か氷かガラスかプラスチックでしか作れません。金属や木材には絶対に不可能です。アップル社のデザイナーはそこに注目して、プラスチックの大きな特徴である透明感をとことん追求して、プラスチックでしかできない「本物の素材感」にたどり着いたのです。

目次

  1. はじめに
    • 日本は世界屈指の工業デザイン大国
    • 我々の生活と切っても切れない「工業デザイン」
    • 工業デザインは面白い
  2. 身近にひそむ美しい比率
    • なぜ、ご祝儀のお札は三つに折るのか?
    • 謎めいた黄金比
    • 身近な黄金比
    • 黄金比はすべてを美しくするのか?
    • 黄金比より使いやすい「三分の一の法則」
    • 伝統的な日本の比率「白銀比」
    • 白銀比とハローキティ
  3. 誰にでも分かるシンプルなデザイン
    • バカみたいにシンプルにしろ
    • ダンデザインの成功例 プレイステーション
    • ミッフィーとアンパンマン
    • 絵文字の世界標準「ピクトグラム」
    • シンプルさの法則に忠実な「交通標識」
    • ピクトグラムの限界
    • シンメトリーの美学
  4. 美しさと使いやすさの法則
    • 美しいものは使いやすい
    • 性能とデザイン
    • 戦争から生まれた人間工学
    • 緊急時の法則
    • 記憶の限界は「7±2」か「4±1」
    • キッチンは主婦の戦場
    • そのドアを押して開けるのか引いて開けるのか
    • 可視性を改善する「アフォーダンス」
    • ガスコンロの対応付け
    • デザインの自由度を上げる「制約」
  5. 細部に宿る美しさの法則
    • デザインの神様はディテールに宿る
    • 工業デザインとスケッチ
    • フルサイズスケッチとフルサイズモックアップ
    • 稜線と頂点の処理
    • 稜線処理の基本は「角アール」
    • 力強く男性的な「面取り」
    • パソコンのキーボードに使われている「ハマグリ締め」
  6. 地域の文化と歴史のデザイン
    • 青は暑苦しい色
    • カーデザインのお国柄
    • アメリカとインターナショナルスタイル
    • 左右非対称のジャポニズム
    • 日本仕様のiPodをデザインすると
    • 過剰包装は日本の文化
    • 日本的なアルフォンス・ミュシャ
    • 流行が作り出す美意識
    • 「萌え」はキャラクターデザインの極北か
    • シンプルなデザインも一つの様式に
  7. ユニバーサルデザインとこれから
    • 80対20の法則
    • 切り捨てられる80%の要望に対する「ユニバーサルデザイン」
    • 老人用紙おむつの最重要機能は「尊厳」
    • 生きのびるためのデザイン


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この記事へのコメント

1. keyさん
私は仕事柄、ここに書かれているようなことを大雑把に頭に入れてるつもりなのですが、ずっと同じような仕事をしていると、とかく忘れがちになることもあります。

ただ黄金比など体に染み付いていて、形を描いていると自然とそうなることもあります。

私はインハウスデザイナーなので、「自分のこだわりをそこそこに押さえつつ、オリジナリティを求めていく」という奇抜な仕事のしかたをしていますが、形だけでなく、素材などの要素も認識してモノづくりをしていけば、オリジナル性の高いものが作れるということでしょうか。

私もこの本を読んでおきたいと思います。
2. Nojeeさん
keyさん、コメントありがとうございます。
やっぱし黄金比は基本中の基本なんですね。

僕も素材感は大切なデザインの要素だと思います。特に衣類はそうですね。

プロの方が読む必要があるかと聞かれると、内容はシロウト向けだと思いますが、随所にもっと専門的な本のタイトルが紹介されているのは役に立つかもしれませんので、新書だと割り切って読んでみてください。

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