フェラーリと鉄瓶

フェラーリと鉄瓶 / 奥山清行 (初版 2007/4/9)

フェラーリが創業55周年記念して販売したスーパーカー「エンツォ・フェラーリ」をデザインした日本人の本であること、目次を見て面白そうと直感しただけで手に取ったけど、実際に実に面白い、車好きな人だけじゃなく、工業デザイナーやプロジェクトリーダーを職業にしてる方にも、ぜひ読んでもらいたい素晴らしい本です。

GM(米)、ポルシェ(独)、ピニンファリーナ社(伊)でデザイナーとして働いた経験が語る「第2章 日本人の知らないイタリア」は、へぇ〜、そうなんだぁ〜の連続。例えば、「イタリア人は異常によく働く」、「イタリア人は手先がものすごく器用で、ドイツ人はものすぐく不器用」なんだそうだ。また、少し引用すると

  • これはデザイン全般に言えることですが、あっさりして見えるものがあっさり作られたかというと大違いなんです。デザインした人の執念が実を結んでいるから、あっさり見えるんです。それに、シンプルに見えるものの造りがシンプルかというと、決してそんなことはありません。ものすごく複雑なものを、整理してつじつま合わせをして、いろいろなところに気を配って作ると、最後にはすごくシンプルにみえるものです。
  • 自分がない人たちは、こだわりがありません。自分の好きなもの、自分の哲学に合うものを知っている人たちは、選択肢の中からこだわりを持ってそれを選び、こだわりを持ってそれを完成させようとします。
  • 「人よりモノ」あるいは、「チームより個人」といった、一般的な見識とは逆のことを、ものを作る立場からあえて言い続けてきたのです。

(まったくその通りだと感心してしまう・・・ 反省)