
就職して25年以上、クルマで通勤する毎日を過ごしていますが、運転に関する本を一度も読んだことがありませんでした。この本で、日本で最も有名な自動車評論家である徳大寺有恒さんが、日常の運転を分かりやすく説明しています。教習所で教えてもらったことには、最近のクルマに当てはまらない部分があることも知りました。知らず知らずにやっている思い込みの運転は怖いです。初心者ドライバーだけでなく、ベテランドライバーも自己流を見直す良い機会を与えてくれるので、ぜひ読んでみてください。
少しだけ、本の内容を引用します。
- 一般的な感覚からすると、シートは少し前、バックレストは立て気味といったところだろう。私の見るところ、一般のドライバーはバックレストを寝かせすぎだ。バックレストはもっと立てたほうが視界もよくなるし、体がシートに密着する。パニックブレーキを踏んださい、背中をバックレストに密着させたまま、両腕でぐっとスティアリングを押さえ、体を支えることのできる位置とイメージすればよい。このポジションは、はじめてだとしばらく違和感があるかもしれないが、2〜3週間もすれば慣れて、運転しやすいことがよくわかるだろう。
- シートベルトはしっかり腰骨の上にまわるようにする。これが腰骨でなく腹部を押さえていると、いざというときに腹部を強烈に圧迫され、腸が切れてしまう。また、しっかり鎖骨のところをまわっていることも大事だ。首にかかっていると、衝撃が首にかかり、首の骨を折ったりする。
- 長時間のアイドリングは、ただ無意味にCO2やNOxを大気中にばらまくだけだ。昨今の環境問題からして、もはや許されることではない。エンジンがかかったらすぐスタートしよう。それでも気になるというなら、水温計の針が動き出すまで、数百メートルは30km/hぐらいでゆっくり走り、針が動いたところで普通にアクセルを踏めばよい。いまのクルマはおおかたアルミブロックエンジンなので、エンジンはすぐに温まる。
- 逆手ハンドルは、まだパワースティアリングが一般化していなかったころ、エイヤッとばかりに力をこめてすえ切りする必要があったからだが、いまや軽自動車ですらパワースティアリングがついている。非力な女性ドライバーとて逆手を使う必要はまったくない。危ないだけだ。
それじゃ、送りハンドルはどうだ。送りハンドルは、片手でスティアリングを送るか、引くかしつつ、もう片方の手のひらのなかでスティアリングをすべらせるというもの。教習所ではいまだに送りハンドルは厳禁ということになっているようだが、これは決して悪くない。タイトなコーナーの連続する山道のスピードドライブではこいつが欠かせないし、市街地でもなかなかエレガントであるから、おおいにオススメする。 - 送りハンドルには「引っぱり型」と「しぼり上げ型」がある。引っぱり型は、右に曲がる場合はあらかじめ右手を左手の直前までずらし、曲がるときに必要なだけ右手で引っぱるというもの。このとき左手は10時あたりで動かさずスティアリングを手のひらのなかですべらせる。しぼり上げ型は、同じく右に曲がる場合、左手をあらかじめ7時のあたりにずらし、曲がるときに必要なだけ左手を送る。右手は10分あたりにおいてスティアリングをすべらせる。
どちらの方法でもいいが、送り手、引き手は利き手ということになろう。右利きなら、右曲がりは引っぱり型、左曲がりはしぼり上げ型ということだ。
ヘッドレスト、シートベルトに関連したリンク (ガリバーのCORISMより)
- ムチウチになっちゃいますよ! 正しいヘッドレストの使い方知ってますか?
- 検証!ヘッドレストの重要性!実車後面衝突実験「JAFユーザーテスト」より
- 死にたくなければシートベルト!
- 『後席に乗っても絶対シートベルト!』 JAF公開衝突実験で後席シートベルトの効果を見せつけられる!
目次
- コミュニケーションしつつ安全に走る
- 他社とのコミュニケーション1: まわりのクルマの性格まで読みつつ運転する
- 他社とのコミュニケーション2: 自分の存在、自分の行動をまわりに見てもらう
- 他社とのコミュニケーション3: 相手を不快にさせる合図は慎むべきだ
- 他社とのコミュニケーション4: クラクションは短く鳴らし、ニッコリあいさつ
- 他社とのコミュニケーション5: 渋滞時の合図は窓を開けてあいさつする
- 他社とのコミュニケーション6: 右折は自分の行動を他車に見せつけながら
- これだけは知ってほしい運転の心構え
- 想像力: 運転は運動神経ではなくアタマでするものだ
- 有視界ドライブ: 見えないものを恐れ、見えたものだけを信じる
- これが運転の基本だ
- 取り扱い説明書: 走りながらスイッチを探しているようでは危険だ
- ドライビングポジション1: 運転のレベルはドライビングポジションにあらわれる
- ドライビングポジション2: バックレストに背中を密着させるのが基本だ
- シートベルト: きちんと装着しないとなんの意味もない
- 服装・履き物: 底が薄くてしっかりしている靴がいい
- アイドリング: エンジンがかかったらすぐスタートしよう
- ステアリング操作1: しっかり両手で持たないと危険は回避できない
- ステアリング操作2: 送りハンドルはおおいにオススメしたいテクニック
- アクセル操作: 減速もアクセル操作でできることを意識してほしい
- ブレーキ1: パニックブレーキを一度は体験しておくべきだ
- ブレーキ2: パニックブレーキが踏めるのはABSのおかげ
- ブレーキ3: ブレーキの限界を知っておくべきだ
- 視点: 4〜5秒先の自分の位置を見て判断する
- ミラーの使い方: 行動に移る前にミラーを見る習慣をつける
- 一般道はこう走れ
- 広い道への合流: 強く加速してすばやく本線の流れに乗る
- 車線変更: 加速しながら車線を移るのが基本だ
- 狭い道でのすれちがい1: 前方の混雑に早めに気づく観察力が大切だ
- 狭い道でのすれちがい2: すれちがいは右側面を寄せ合うのがコツ
- 夜のドライブ: 歩行者や自転車に気をつけて右寄りを走る
- 裏道・抜け道: 裏道を抜けるのは絶対にやめるべきだ
- 先行車・後続車: タクシーやトラックの後ろはなるべく避ける
- 二輪車: とにかく先に行かせるしか手はない
- 歩行者・自転車: 左折時に左側から突然現れる自転車に注意
- 子供を乗せる: じっとしていない子供はそれなりの対策を
- お年寄りを乗せる: 床面の高いミニバンはお年寄り向きではない
- 事故のパターン: 知識として知っておくだけで避けられる事故がある
- 安全運転の習慣: 確認動作のクセをつければ運転は安全になる
- 駐車をラクにする知恵とテクニック
- 駐車の知識: 出かける前からどこに停めるか考えておく
- 狭い駐車場1: まずはバックがきちんとできないとダメ
- 狭い駐車場2: バックか前進か、判断基準を知っておこう
- バック駐車: 内輪差がないことを最大限利用する
- 縦列駐車: 前のクルマとぶつからんばかりにスパッと
- 駐車の小技あれこれ: 2段パレット式克服法など役に立つ技
- 高速道路はもっとも安全な道である
- 高速道路の基本: 恐ろしいまでの速度を冷静にコントロールする
- 高速道路への進入: 思い切った加速、とにかくこれに尽きる
- 視点と恐怖感: 遠くを見て事態を予測して走れば怖くない
- スピード感覚: 感覚を信じず、つねにメーターをチェックする
- 高速道路の先行車・後続車: 危ない動きをするクルマからはすぐ離れる
- 高速道路の車間距離: 車間距離100mにこだわるとかえって危険
- 高速道路の車線変更: 十分に加速してから車線を移ること
- 高速道路でのブレーキ: 回避行動はスピードを落としてからおこなう
- 高速道路でのトラブル1: せめてガス欠とパンクくらいには気をつけてほしい
- 高速道路でのトラブル2: トラブルで停止してしまったら、どうするか
- 高速道路の分岐: 迷っても進路を変えずそのまま進むべし
- 雨の高速道路: 雨で夜なら高速道路は避けたほうがいい
- 夜の高速道路: 夜はクルマの群れから離れて走るほうが安全
- ETC: 頻繁に高速道路を使うならつけたほうがいい
- 山道はこうやって走る
- 山道でのスピード: あくまで常識的なスピードで楽しむべきだ
- 山道でのペースを上げる: 3レンジや2レンジで走るだけでいいのだ
- 山道とオートマチック: +−のゲートを積極的に使ってみる
- 山道のコーナー1: 進む方向に視線を定め有視界ドライブに徹する
- 山道のコーナー2: 先行車に追従して「タマヨケ」に使うといい
- 細い山道・悪路: 冒険心で妙なところに入り込んではダメ
- コーナリングとタイヤ: どのタイヤに荷重がかかっているか意識する
- 霧: 早めに判断して駐車場などにクルマを停める
- 雪道1: おろそかにできない雪道のための装備と対策
- 雪道2: あらゆる動作を慎重に静かにおこなうほかない
- 雪道3: 細い脇道には絶対に入ってはいけない
- 長距離ドライブのススメ
- 長距離ドライブのススメ: 自由気ままなクルマ旅行をもっと楽しんでほしい
- 長距離ドライブの計画: 一般道で寄り道しながらの旅がいいのだ
- 長距離ドライブに向くクルマ: 1.5〜2リットルクラスの小型車でも十分だ
- 長距離ドライブの注意点: 地方と都会とは違うということを知っておく
- 道に迷ったとき: 道を探しながら進むのはあまりに危険だ
- カーナビ: 注意して使えばこんなに便利なモノはないが・・・
- クルマのメンテナンスとトラブル対策
- クルマを長く乗る: 気に入ったクルマを10年間大事に乗るといい
- タイヤのメンテナンス: タイヤは最重要部品だから常に気にしてほしい
- パンクとタイヤ交換: 経験がないから一度は練習しておくこと
- 洗車: 室内・ウィンドウ・ミラーだけはピカピカに
- 日常のチェック1: スタンドで「オイルが汚れていますよ」といわれたら・・・
- 日常のチェック2: バッテリーは現代のクルマの弱点といえる
- 日常のチェック3: 自分でできる定期チェックのポイント
- マニュアル車の取り扱い: クラッチのすべりだけは注意しよう
- 故障の徴候: 「変な音」に気づいたらサービス工場へ
- トラブルへの対応: 道具があれば対処できるトラブルも多い
- 事故への対応: 負傷者を保護することを最優先にする
- どんなクルマにどう乗るべきか
- FFとFR1: それぞれの得意と不得意を知っておこう
- FFとFR2: FFとFRでは曲がり方が違うのだ
- トランスミッション1: オートマチックのしくみを知っておこう
- トランスミッション2: CVTは今後ますます普及していくだろう
- トランスミッション3: 日本車にはない欧州車独特のAT技術
- トランスミッション4: もはやマニュアル車はオススメできない
- タイヤ: 幅広扁平タイヤは必ずしもオススメできない
- ミニバン: どう使っても5ナンバーミニバンは不便だと思う
- ハイブリッドカー: 値段が高いのが難点だが、燃費はたしかにいい
- 軽自動車: ちょい乗りに使うだけにしておくことだ
- 4WD・SUV: 「お手軽SUV」を過信してはいけない
- 先進安全技術: 自動的に危機的状況を回避する技術
コメント
コメント一覧 (6)
徳大寺先生は、もっとも尊敬する自動車のプロであります。この方のいうことは、すべて信じちゃいます。細かく書き出していただけたので、本は買わないかも(いえいえ)、、、本屋では注意してみます。
内容と目次を見ただけで、かなり興味を持ちました。
アマゾンでクリックしちゃいそうです。
ブログは時々見させていただいてますよ。
・・・ だったら、たまにはコメントしろ!ですね
Wikipediaの徳大寺さんのページを見ると
「高い評価と知名度を誇る反面、として同じ車に対しても時期によって主張に一貫性に乏しく、大きく食い違いが生じているという評価がある。」んですって。面白いですね。
この本も分かりやすく、面白いです。ぜひ、勝手読んでみてください
サーキットでのドライブテクニックではなく、老若男女、初心者〜ベテランまで、一度は読んで頭に入れておいた方が良い内容だと思います。
この本を読んでから、バックミラーを良く見るようになり、ゆったり運転するようになったせいか、燃費も10.9L/100km=9.2km/Lになりました。